着物のコーディネートを考える際に、おお元となる思いは
「誰ともかぶらない自分だけのオリジナル着こなし!」
では無いでしょうか?
もちろん、最低限のルールの元で許される限りの
季節感や出先との格合わせ、相手様への思いなどを着物や帯・小物達で表現する自分なりの着こなしはオシャレの観点でとても大切に取り入れたい要素ですよね。
着物の場合は、着物の「種類」「文様」「紋の数」「帯との組み合わせ」など様々な違いで格が変わってきます。
でも実際に、それらの要素を取り入れて自分なりの着こなすにはどうすれば良いの?
この部分が一番悩ましくも楽しい時間
自分なりの着こなし・・・
すなわち、オンリーワンでなければなりません。
そんな問題を簡単に解決する方法があります。
それは、誰ともかぶらないオンリーワンのオリジナル着物や帯のアイテムに取り入れれば良いのです。
しかも、
ってのが重要!
みんなが知ってるアイテムだと、いくらオリジナルでも面白くないですもんね
そこでとっておきのアイテムが、今回ご紹介する京都の染め屋さん「洛楽人工房(らくらくじんこうぼう)」で作られている着物や帯たちです。
洛楽人工房さんのアイテムは、呉服店の催事や百貨店でしかお目にかかれなかった品物です。
しかも、今までは写真撮影禁止だったので現場に足を運んだ人しか全容を知ることができなかった貴重なアイテムです。
今回は特別に、当サイト着物心で公開の許可をいただけることができました。
色々な方たちのご縁で、皆さんに感謝しかありません。
「全国各地の染織工房さんでも、ほとんどがオリジナルのアイテムを創作してるじゃん!」
と思ったあなたにこそ、お伝えしたいのが洛楽人工房さんの特に珍しい染め加工【玉蟲染】です。
他の工房との大きな違いは、ただ特殊な染め加工をしているだけではなく、その加工で描かれた
- 意味のある紋様を描いている
- 縁起の良い紋様が散りばめられている
だけではなく、
その紋様を使って着物全体で一つの物語(ストーリー)を作っていることです。
着物心でも何度もお伝えしてますが、着物の一番の醍醐味は染や織りに人々の幸せを願う気持ちや、厄を払いの意味が込められていること。
えーーーー!そんな物語がこの一枚にはあるんだ!
と、見ただけではわからない1点1点に込められた物語。
聞けば聞くほど奥が深い、日本人が最も大切にしたい精神や心のあり方が描かれた作品です。
インクジェットの染や、一見だけの可愛らしさや流行りの柄などが持てはやされ、注目されることが多くなった現代にこそ知っておきたい本来の着物の姿。
「着物が好き!」
とせっかく着物の世界に足を踏み入れてなら、物事の本質や本物の価値を見極められ、着物と一緒に成長したいと感じるあなたは必見です。
洛楽人工房の着物に秘められた物語(ストーリー)の全貌
早速、洛楽人工房さんで作られている、着物や帯の物語を紹介します。
何度も言いますが、今までは写真撮影禁止だったので、作品を見ながら物語が聞けるのは貴重ですよ。
まずは、下の※全景帯「淡墨月 一期一会一生一品」
帯全体を使って、一つの風景が描かれている帯のこと。
結んでしまうと見えない腹の部分まで続けて物語・風景が続いて描かれているため、本人しか分からない究極の贅沢品です。
袋帯でよく見られる全通帯は、帯全体に柄が配置されていますが景色が続いていることはありませんので、全く違うアイテムです。
この全景帯は垂れ(たれ)から手先まで一本の桜の木が描かれて、真ん中に満月、そして桜の花びらがひらひらと舞ってなんとも豪華な袋帯です。
そして、この帯に込められている物語。
淡墨桜とは岐阜県にある一本桜で樹齢1500年以上にもなる日本五大桜・三大巨桜のひとつ。国の天然記念物でもあります。
つぼみのころは薄紅色ですが、花は白色で、やがて薄墨色になる桜です。
手先へと続く「大木の長さと同じだけの根」があり、「太くて立派な大木」に、見るも「美しい桜の花びら」から、祖母、母、娘を象徴していて、親子三代に渡って愛でてほしいとの意味が込められています。
また、一期一会一生一品の「一生一品」の意味は、一般的に京菓子の職人の間で使われる言葉で、
「一生かけて、ひとつの品を完成させよう」
と職人の立場ではなく、帯を着る人に対しての
「一生をかけてどんなシーンでも大切にできる帯」
との意味もあります。
特に帯は時代の流行りの移り変わりが激しいですが、この帯は親子3代の歴史を経ても時代を感じさせない配色や、紋様になってるので本当に使いまわしができそうな帯です。
そしてそして、
太陽光を当てると、元々真っ白だった花びらがピンク色に変わっているのがわかりますか?(雄しべ?雌しべ?の部分は特に玉蟲みたいにキレイに光っています。)
時間が経っても少しの間色づいています。
洛楽人「玉蟲染」は伝統の京友禅、古典のきものに、新たに開発した15の技法を加え、従来には無かった着物と帯を提案しました。
太陽光の強さで色目自体が美しく変化します。
参照:洛楽人工房ホームページ
これ!実際に見たら感動します。
当サイト着物心では、天皇しかお召になれない太陽の光で変色する黄櫨染の紹介や、他にもまだ紹介はしていませんが生地の色が変わるアイテムを見てきました。
ですが・・・。
これだけはっきりと、
想像してください。
室内ではなんの色もついていなかったのに、外に出たらところどころ彩色があり、全く違う帯に見えるところを。
こんな帯、お友達がしていたら
「すご~い!ナニソレ?」
って言いたくなりますよね。
まさしく、
下の帯も同じく玉蟲染が施された、全景帯「すたーむーん」です。
垂れから手先まで、月の満ち欠けとともに12星座が散りばめられています。(お太鼓が満月、前腹が三日月)
今回、洛楽人工房さんに取材に行ったのが2020年の12月22日でした!
そうです!木星と土星が水瓶座で大会合する
風の時代は、今までの地の時代とは大きく変わり「個」が大切になる時代です。
そのため、人と人との繋がりが必要とされ、物的価値から思想価値に変わり、物事の本質を見極められる横の繋がりで仲間と協力し合う時代です。
目に見える価値ではなく、心や思想や体験などに価値を求められるため、今まではスピリチュアル的にとらわれがちな月や星座など目に見えない物に価値を求める時代です。
この帯のテーマにぴったりですね
ある意味、自然との共存や、調和、動物としての本能など古来は大切にされてきた本来あるべき人の思想や価値観に戻るのでしょうね!
着物の着こなしでもそうですよ。
目に見える可愛い!かっこいい!だけでは評価はされなくなります。
「そこに込められた目に見えない部分を大切に・・・」
されたこのような帯が、これからの時代に貴重で価値のあるモノになっていきますよ。
うっすらと星座は金糸も入っていて、全体の色使いもシックな雰囲気にまとめられているので、普段着から少し格の高い場所にでもさり気なくオシャレ感を漂わせる大人な帯です。
続いて、下の着物「※白寿(はくじゅ)」の紹介です。
百から一を引くと「白」となることに由来している99歳のお祝いで、白が長寿祝いの色とされています。
白寿のお祝い色
おばあちゃんが99歳になっても元気で、親子3代でこの着物を愛でていられますようにとの祈りが込められています。
- ピンク・・・復活
- 青・・・高貴
- 黄色・・・富
の願いを込めて、
「着る人がいつでもそうでありますように」
との洛楽人工房の三代目の思いが込められています。
全ての花びらではなくて、所々の色が変わるのがまたオシャレ
個人的には、お孫さんからおばあちゃんが60歳くらいの時に
「99歳までは元気でいてね」
って、プレゼントしてほしいなぁ~。
続いての帯は「墨描き」
洛楽人工房の作品を作っている三代目が「相田みつお」さんの思想を題材に手掛けた帯です。
この帯に書かれている墨は「黒」→「苦労」と説かれ、人生の苦労を流してくれる意味を持ちます。
下のように太陽光を当てると、流れる水とともに虹色に浮き出る色は着る人の幸せを願っています。
良いご縁が人を幸せにしてくれるという思想から、苦労を流して虹の架け橋で良いご縁を結ぶ!
そんな素敵な意味が込められているんですよ。
墨描きは、黒と白だけのコントラストだけで表現されてるように見せながら、太陽光に当たると、す~っと虹が浮かび上がる。
何とも、ロマンチストな帯。
一見単色なので、コーディネートもしやすく使いまわしの良いアイテムですね。
そして、お酒が大好きな三代目はシャンパンを題材にした着物まで!題して「天使の祝福」
シャンパンの泡に込められた意味が深いんです。
シャンパンが注がれた時に、泡の弾ける「パチパチ」とい音は
そして泡がグラスの下から上へ流れる様子は、
他にもシャンパンの泡は星に例えられることもあり、よく見ると泡がちゃんと星になっていますよね。
下の着物は同じシリーズの夏単衣の変わり立涌に泡がパチパチ弾けるように施されています。
立涌は2本の曲線を用いて蒸気が立ちのぼるさまを表し、
平安時代以降に公家階級で装束・調度などに用いられていた伝統的な文様です。
階級によって身に付けられる模様が決まっていた、格式高い文様です。
この立涌文様は、正倉院の宝物としておさめられている古裂(正倉院裂)にもよく見られます。
もちろん、太陽光で変色しますよ。
私はお酒が全く飲めないので知りませんでしたが、シャンパンにはこんな縁起の良い意味が込められていいたのですね!
シャンパンがあるようなお店やパーティーにはもってこいの着物、お酒好きさんにはたまらないアイテムですね。
夏単衣で高級感のある生地なので、羽織やちりよけコートなど上着として使っても、太陽光を浴びるたびに天使が祝福してくれますね。
次はとってもオシャレなフランス語でDe la Soie chanter(シルクの歌)というお召です。
絹を着たときに聞くことができる「絹鳴り」の音を着物で表現した作品です。
この着物の地の紋様は、「アカンサス」というギリシャの国花で
そんなアカンサスの中によく見るとハチドリが優雅に羽ばたいています。
ハチドリは
ハチドリの鳴き声を「ハミングバード」=「絹鳴りの音」として表現しています。
この着物を纏った人が、絹鳴りの音とともに
と言った意味合いでしょうか。
ただでさえ美しい色合い地紋のお召で、そんな意味が込められてるなんて素敵すぎ!
ちなみに下に見えるヒラヒラの糸が経糸で、このお召はグレーの経糸が使われているのがわかりますね。
下の着物は同じシリーズの色違いで、もう少しはっきりとした色合いのお召です。
よーく見てみると、歌舞伎の隈取が描かれているのがわかりますか?
隈取には色によって下のように意味が変わってきます。
- 赤色・・・正義や勇気を表し、善を意味します。
- 青色・・・冷酷さを表し悪を意味していて、敵役に用いられます。
- 茶色・・・鬼や妖怪など、人間ではない役に使われます。
この着物の隈取が、太陽光に当たると何色に変色するか・・・
洛楽人工房さんに聞いてくださいW
最後にそんな殺生な!っとツッコミたくなりますが、すいません聞き忘れただけです。
ですが、先程もお伝えしましたが今は風の時代に変わったばかり。
今まで遠慮していたコミュニケーションを積極的に取ることで、新たな出会いが生まれ思ってもない幸せが舞い込んで来るかもしれません。
縁起の良い着物から力をもらい、どんどん積極的に幸せを掴みに行きたいですね。
と、今日のレポートはお腹いっぱいになってしまったので、続きは次回にしますね。
まだまだ、洛楽人工房さんにはお宝が沢山潜んでいます。
そんなお話を、次回はお伝えしますね。
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