長襦袢まで拘って(こだわって)おしゃれに着こなしていますか?
着物や帯に対して、帯締めや帯揚げなどパッと見て分かる部分はコーディネートの一部として色や柄を考えるていると思います。
しかし着物通は「見えない部分」まで拘ってトータルコーディネートをすることこそ、おしゃれの醍醐味の1つとして楽しんでいます。
例えば、
- 羽織裏
- 長襦袢
- 草履の台
など、見えそうでなかなか見えないいわゆる「チラリズム」な部分こそ
ちょっとしたしぐさから覗く、ほんの少ししか見えない部分が人とは違う個性的なアイテムだと
「あら、どんな物なのかきちんと見せて!」
ってなりますよね。
ファッション要素に重きをおいて着物を楽しむ愛好家が増えているなか、そんな一番の見せどころに拘らないなんてナンセンス。
そこで今回は、私のワードローブから選りすぐった長襦袢7枚を値段別に、
- 購入値段
- 購入元
- 素材
- 仕立てた場所
- 仕立て方法
- 着こなし術
紹介したいと思います。
ちなみに、なぜに値段別かといいますと・・・
値段と言うキーワードがユーザーの関心度が高いからW
やはり、
「おしゃれはしたいけど値段が気になる・・・」
当たり前ですよね。
自分にあった着物道を楽しむためにも、紹介する長襦袢の値段を参考におしゃれな着こなし術を身につけてくださいね。
長襦袢の値段別ワードローブベスト7選
まずは今回紹介する、ワードローブ長襦袢ベスト7枚はこちら。
- 琳派の風神雷神単衣の長襦袢
- 黒色幾何学模様単衣の長襦袢
- 紺と白の縞模様麻絹単衣の長襦袢
- 薄紺花唐草紋紗単衣の長襦袢
- 紺地白鳥単衣の長襦袢
- 石畳花唐草模様単衣の長襦袢
- 東レ・シルック洗えるポリエステル単衣長襦袢
なんだか文字にしてしまうと堅苦しくなってしまいますね(汗)
こういう所が「着物=難しい」のイメージがついてしまうんだな!と感じながら・・・・。
分かりやすいように、①から順番に写真付きで紹介していきますね。
長襦袢で差をつける!おしゃれな着こなし術
今回は値段の高い順に紹介していきますが、私が長襦袢を購入するときはトータルコーディネートを考えて、ほとんどの場合着物や帯と同時に購入します。
そのため、お店側の都合で値引きの仕方によって伝票に書いてある長襦袢の値段は、相場の金額では無い場合があるので、あくまでも私が購入した値段として参考にしてくださいね。
出てくる言葉がわからい時は、下の記事を参考に読み進めてください。
琳派の風神雷神単衣の長襦袢
この長襦袢は私が初めて自分で買った思いれのある1枚。
- 購入値段・・・仕立て込み20万円
- 購入元・・・着付け教室の催事
- 素材・・・正絹
- 仕立てた場所・・・国内手縫い
- 仕立て方法・・・居敷当て付き袖無双仕立て
- 着こなし術・・・単衣なので適正使用時期は5~6月・9~10月
袖が無双仕立てなので、5月9月だと少し暑いので私は逆に真冬に着る方が多いです。(というか袷用として作りました。)長襦袢だけでみるとカジュアルなイメージですが、袖口や身八つ口から見えるのは雲紋の茶色のみ。
風神雷神様はよほど気にしないと見えないので、パーティーやランチなど
訪問着から紬まで幅広く使っています。 全体のイメージが茶色で暖色系の色なので、しっくに大人っぽく合わせたい時は黒や茶色の着物で統一感を出します。
明るいイメージにしたい時は、どんな色にも調和してくれる白の着物を合わせて帯や小物を長襦袢と同じ暖色系でまとめます。
緑がかった色の着物や、クールなイメージがある青系の着物や帯だと、色が喧嘩してうるさいイメージで統一感がなくなるので合わせません。
黒色幾何学模様単衣の長襦袢
ほどこされている模様も抽象的なので着物との柄合わせもしやすく、冬は一番出番の多い使い回しが利く使い勝手の良い長襦袢です。
- 購入値段・・・仕立て込み18万円
- 購入元・・・地元の呉服店
- 素材・・・正絹
- 仕立てた場所・・・国内手縫い仕立て
- 仕立て方法・・・居敷当て付き袖無双仕立て
- 着こなし術・・・単衣なので適正使用時期は5~6月・9~10月
袖が無双仕立てなので、5月9月だと少し暑いのでこちらも真冬に着ます。
主張が強い黒色ですが、先程の風神雷神の茶色より他の色と馴染んでくれるので、着回しの効く冬は出番が一番多い長襦袢です。
黒・青・茶・緑色どんな色にもマッチしますが、どちらかと言うとクールで粋なイメージのコーディネートに仕上がります。
こちらの長襦袢も、正装から普段着まで行く場所を選ばずどこにでも合わせますが、私は子供の入卒式などに訪問着の下によく着ていましたね。
紺と白の縞模様麻絹単衣の長襦袢
麻が入っているため自分で洗えるのに、しっとり絹の滑らかさもある夏の長襦袢です。
- 購入値段・・・仕立て付き15万円
- 購入元・・・着付け教室の催事
- 素材・・・麻40%絹60%
- 仕立てた場所・・・国内手縫い仕立て
- 仕立て方法・・・居敷当て付き
- 着こなし術・・・絹に少しだけ麻が入っているため、真夏でもサラッと気持ちよく着こなせます。
麻だけだとカジュアル過ぎる質感が気になるので、絹を入れることで麻だけの長襦袢よりしっとり落ち着いた着心地になります。
縦縞がカジュアル感を高めるので、麻の着物やランチなどどちらかと言うと普段着要素が強い場所で使用します。
薄紺の花唐草紋紗単衣の長襦袢
透けるように薄く、軽やかな質感が特徴の紋紗は、国の重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定されている染織家土屋順紀さんによってつくられた比較的新しい技法の織物。
- 購入値段・・・仕立て付き13万円
- 購入元・・・着付け教室の催事
- 素材・・・正絹紋紗
- 仕立てた場所・・・国内手縫い仕立て
- 仕立て方法・・・居敷当て付き
- 着こなし術・・・夏の正装の長襦袢と言ったら紋紗が一番気持ちが良い、と言ってもいいぐらい
ヘビロテで使用できる素材です。
紋紗は最近特に色や柄も豊富になったため、濃い色の少し厚みのある種類なら3月や12月など袷の時期にも使いまわしができます。私は紋紗ぐらいの生地感なら自宅で洗濯しちゃうので、真夏は一度着て汗をかいたら直ぐに洗ってクリーニング代も節約です。
薄い色の紋紗なら、留め袖や色無地など礼装にも合わせられ(もちろん普段着にも)本当に使い勝手の良い長襦袢です。
紺地に白鳥単衣の長襦袢
こちらは完全に趣味性の強いカジュアル向きな長襦袢。
- 購入値段・・・仕立て付き3万円くらい
- 購入元・・・ネット店
- 素材・・・正絹
- 仕立てた場所・・・海外仕立て
- 仕立て方法・・・背伏せのみ
- 着こなし術・・・何か面白い遊び心の有る長襦袢を探していたときに購入した物。
単衣で背伏せ仕立てなので、5~6月・9~10月の完全に単衣用。
残念なことに模様が濃いため薄い色の着物だと透けて見える場合がある。
そのため透けないように黒色の単衣の着物か、袷の白系や紺系の着物にこそっと合わせて遊んでいます。帯や帯周りを同じ紺系にすることで、統一感の有るコーディネートができます。
石畳花唐草模様単衣の長襦袢
着物を買ったときにおまけとして頂いた長襦袢で、清楚でおしとやかなイメージの可愛らしい花唐草紋様。
- 購入値段・・・仕立て代のみ3万円
- 購入元・・・頂き物
- 素材・・・正絹
- 仕立てた場所・・・国内手縫い仕立て
- 仕立て方法・・・居敷当てつき
- 着こなし術・・・単衣なので適正使用時期は5~6月・9~10月
袖が無双仕立てなので、5月9月だと少し暑いので私は逆に真冬に着る方が多いです。
着る人を選ばない、ふんわり女性らしいタッチで描かれた花唐草紋様は優しいイメージでコーディネートしたい時にぴったりです。 同じく植物紋様や吉兆紋様などがほどこされた訪問着や、落ち着いた色目の花織など織の紬に合わせることで、しっくりぬくもりが伝わる感じにもなります。
東レ・シルック洗えるポリエステル単衣の長襦袢
自宅でお手入れできる手軽さがおすすめの、ポリエステル長襦袢。
- 購入値段・・・仕立て代付き3万円
- 購入元・・・地元の呉服店
- 素材・・・ポリエステル
- 仕立てた場所・・・海外手縫い仕立て
- 仕立て方法・・・居敷当てつき
- 着こなし術・・・袖も単衣仕立てで厚みは無いのに、やはり絹に比べたら質感や吸湿性、通気性も悪く暑さが気になります。
絹との相性も良くなく、着物との摩擦により静電気がおきて歩く度に着物が足にまとわりついてきます。(7年ほど前に買ったので今はもう少し改善されてると思います。おしゃれとして着物とコーディネートと言うよりは、雨の日に汚れても良い用に使用しています。(雨でも静電気が気になるのでほとんど着てないW)
地が白なのでどんな着こなしにも合わせやすくコーディネートはしやすいです。
長襦袢は小袖感覚!見せてなんぼの世界
小袖とは現在の着物の元となった衣類のこと。
ここまでの紹介でおわかりと思いますが、長襦袢は
着物仲間といつも、「何なら長襦袢で外を歩きたいね!」と言い合うほど
織り方や素材の違いによって値段も着物より高い物が増えてきた今日、そう思うのも自然の流れですね。
それもそのはず!と納得する出来事が長襦袢のファッションとしての歴史を紐解くと見えてきます。
長襦袢は江戸時代の太夫(最上位の遊女。その当時はファッションリーダーでもあった)が部屋着として使用していたことから、
袖口、身八つ口、裾からのぞく色柄を楽しむようになり、現在のような対丈の「長襦袢」へと変化していったのです。
縮緬や綸子などの絹でできた長襦袢に「白や色無地」「刺繍や絞り」「小紋等の柄半衿」の衿を付けておしゃれとして楽しみました。
そうなると、長襦袢は下着と言うより小袖(着物)のような感覚ですね。
そのため、だんだんと長襦袢の下に木綿の下着(肌襦袢と裾除け)を付ける様になり現代の立ち位置になっていきました。
明治時代になり、大正・昭和の初めまでは
しかし、戦争が激しくなるとともに衰退し、昭和15年の七七禁令で豪華な長襦袢は着物ともに作られなくなって行ったんですね。
戦後、高度成長期と共に女性も社会に出れるようになり洋服文化が主流になった現代は、着物人口も減りつつありますが、おしゃれな着物通の間ではいつの時代も
「もっとおしゃれに!」
という、美の追求はとどまりませんね。
自分の好きなものを好きなように着れる現代は、大正昭和の初め頃のように、
以上が【長襦袢こそ一番の見せ所】値段別ワードローブ7選!おしゃれな長襦袢着こなし術の紹介でした。
何となく、長襦袢のファッション性の高さをお分かり頂けましたか?
温暖化が進み、汗をかいたら長襦袢もいつでも気軽に家で洗濯できるように
「お手入れしやすい手軽な物が良い」
という思考はわかります。
ですが最近は、着物と相性が良い絹でも自宅で洗濯できるおしゃれな生地の長襦袢も増えつつあります。
後1・2年もすればそういったタイプの長襦袢も、もっともっと増えて行くと思うので
「手軽に洗濯できれば色や柄は何でも良いや」
ではなく、着物や帯とコーディネートできる個性的な長襦袢をセレクトしてみて、おしゃれとしてもっと楽しめると良いですね。
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