中国三大刺繍の
- 汕頭刺繍(すわとう)
- 相良刺繍(さがら)
- 蘇州刺繍(そしゅう)
は、その繊細な技の中から映し出される芸術品とも言える
中でも、汕頭刺繍の透かし模様は江戸切子のようにも見える細かな切り込みが独特で
「どのように作られているのか?」
とても不思議な技法です。
きれいに配列された穴が特徴
日本の南から北まで様々な技法がある着物の染織文化とは、
色味や模様の形状ではなく、
中国三大刺繍の一つ汕頭(スワトウ)刺繍とは?価格や風合いは?
汕頭刺繍とは、中国の広東省東部にある汕頭地方で受け継がれる刺繍です。
中国を支配していた満洲族の王朝「清」と「フランス」の間で起こった清仏戦争における1858年の天津条約を機に、キリスト宣教師たちが
もともとは、ヨーロッパの富裕層の女性が最上品とされている白い刺繍と白いレースのハンカチを、舞踏会やパーティで使うことがステイタスになり広まった刺繍。
その技法が、中国の汕頭で受け継がれた
田舎町汕頭の農家のおばあちゃんが子から孫へと受け継いだ技法ですが、工業化や都市化の波で多くの人が割のいい仕事につくようになり、手間のかかる割に安価な刺繍をする人はだんだん減っていきました。
どこの国でも、伝統的な文化や技法の伝承には様々な問題があるのは一緒ですね。
着物や帯に施されている汕頭刺繍も中国に一旦送って作業しているので、手刺繍で作られている物は本当に少なく、今は多くの汕頭刺繍が機械で作られています。
そのため、手作業でひと針ひと針丁寧に刺繍された着物や帯は、
職人が丹誠込めて仕上げた刺繍は、手作業ならではの穴の形や大きさの微妙な違いが魅力となり、
一方、
- 刺繍が手作業で行われているものか?
- 機械で行われているものか?
- 刺繍の面積が多いか?
- 刺繍の面積が少ないか?
などで、価格には雲泥の差が出てきます。
呉服店などで汕頭刺繍を探す時は妥当な金額なのか?をしっかりと見極めるようにすると良いですね。
江戸切子の様な模様に見える汕頭刺繍の穴の作り方は?
汕頭刺繍の穴は「オープンワーク(透しの部分をつくる技法)」と呼ばれる
生地を切り抜いたり、糸を引き抜くことによって生地の一部分に穴が空いたかのようしてい技法です。
汕頭刺繍には大きく分けて2種類の作り方があります。
1つは抽綉「ツオシュウ」で織り上がった生地の縦糸、横糸を数本引抜き空間をあけ飾り糸を通す方法です。
もう一つは拉綉「ラシュウ」で生地に糸を通し引きながら広げて空間をあけてゆく2つの技法があります。
たて糸とよこ糸の交差する、そのわずかな目に針を刺し広げていっていて、どちらも熟練された高度な技術を必要する技法とし、工芸品として扱われています。
複雑の技法に、色彩の艶やかさが加わると、まさに着物に中に施された芸術品ですね
汕頭刺繍は格が低いってホント?
汕頭刺繍の着物を実際に着るときに悩んでしまうのが、やはり格の問題。
着物の場合は、着物の「種類」「文様」「紋の数」「帯との組み合わせ」など様々な違いで格が変わってきます。
一部の間では、格が低いので礼装には向いていないという意見もあるそうです。
ですが、もともとは西洋の上流階級の貴婦人がステータスとして身につけるほど、
日本の着物文化でも非常に手のこんだ工芸作品であり、黒留袖にも施されている物もあるほどです。
なので、
汕頭刺繍は中国で装飾されるので、着物に施す場合も一旦中国に送らなければなりません。
そのため、中国との貿易が盛んな南の地区で作られる
「大島紬=普段着」のイメージが汕頭刺繍の格が低いという意見にリンクされたのではないかと感じますね。
西洋美意識が織り込まれたエキゾチックな装飾で、いつもとは違うニュアンスの着こなしを演出することができる汕頭刺繍。
その、歴史から伺える成り立ちや芸術的な美意識を必要とする技法を知ることで、汕頭刺繍の着物や帯の魅力を今一度に感じることができたでしょうか?
施されている生地の種類で、普段着から礼装まであらゆる場面で華やかな印象を作り上げることができる絶品となることでしょうね。
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