日本三大紬の一つとされている、大島紬。
その土地で育てたお蚕さんで、その土地の泥や植物を使って染め、その土地の特有の文様を持つ大島紬。
大島紬独特の
どの産地の工程にも引けを取らない精緻(せいち)な技術は、ゴブラン織りと、ペルシャ絨毯と共に世界三大織物の一つでもありますね。
そんな世界に誇る大島紬の産地である鹿児島県の奄美大島が、あの
ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)が、文化や歴史を残す景観や自然環境を、普遍的な価値を持つ物件として保護を指定したものです。
そしてそして、この度その認定審査が7月に決定して、早くて今年の9月に本登録が実現する見通しだというのです。
何年も前から、世界遺産登録に向けて数々の活動をなさってきた現地の方々はさぞ、お慶びされていることでしょうね。
奄美大島が世界遺産に登録されるためには後世に残すべく貴重な文化や自然、その土地にしか居ない動物など様々な要因を必要としますが、もちろん大島紬の染織文化もその一つ。
そこで、今回はユネスコ本登録のための審査にまで至った記念としておこなわれた、大島紬のイベントに行ってきました。
奄美大島世界遺産登録審査記念イベントの目玉
当日は雨模様だったのですが、お気に入りの雨コートを着れたことと
約100畳ほどはあろう会場は、今までに無い程の数(着物や帯や小物に至るまで数百から千点ほどはあったのでは無いでしょうか?)の大島紬作品がびっしり。
もちろん、世界遺産登録に至るまでの経緯や大島紬の工程や歴史、職人さんにしかわからない厳しい現状やご苦労など数々な貴重なお話も伺えました。
そして、コロナの自粛中に仕上がった大量の新作が一気に集まっていたので、まるで奄美大島の博物館でしたが撮影はNG!
お見せできないのが本当に残念・・・。
中でも、私が一番心に残った作品が、先程も触れた
このお蚕さんは、数年前から奄美で行われていた大島産の天蚕糸ブランド作りの取り組みで、一般的なお蚕さんは桑の葉を食べて育ちますが、このお蚕さんは奄美大島に生息する植物のみを食べて育ちます。
その大きな特徴は、下の画像ように繭がみどり色なこと
(参照・南海日日新聞社)
実際はもっときれいなみどり色の繭でした。
幼虫もとてもきれいなみどり色で可愛かったです
一般的な形よりも大きく、まだまだ大量に取れないためわずか1枚の着物しか作れなかったそうです。
染めとは違う完全に繭だけの色から放つその着物の発色は、とても深みがあり大島紬独特の光沢もプラスしてなんとも言えない高級感がありました。
その場の商品相場からして、8桁はいくんではないかと勝手に想像していますが、あれだけ貴重な着物はすぐに売れると思うので、実際の着姿も見てみたいものです。
他にも会場には、大島紬には欠かせない「田中一村」さんの着物や帯もずらりと並んでいました。
大島紬に欠かせない「田中一村」とは?
田中一村さんとは、奄美大島の自然を愛し、奄美に生息する植物や鳥を独特な感性で描いた花鳥画で有名な方です。
今回のイベントにも田中一村さんの描いた絵画をモチーフにした着物や帯が沢山ありました。
丁度、2021年の5月8日から6月6日まで京都で田中一村展が行われています。
亡くなってから価値が認められるようになった一村の壮絶な人生の中から描かれる独特な世界観は、一度は実際に見てみたいものです。
今回の着物や帯がどのようなモチーフだったのかも、参考になると思います。
今年のきもの文化検定パーティーが行われる日も開催されているので、コロナの影響で中止にならない限り私もその日に弾丸で伺おうと思っています。
大島紬が持つ光沢の高級感やシャリ感。その上、丈夫で柄の種類も豊富なので使い回しがしやすい事もあり、着物好きさんの間でも人気が高い織物。
奄美大島が世界遺産になり、すます世界から注目を浴びる事となることで、大島紬の染織の技法の高さや貴重さがより多くの人に認知されるきっかけともなりますね。
そして日本が誇る着物文化が、見た目の美しさではなく、
- ユネスコ世界遺産
- 奄美産お蚕さんの養蚕。
- 田中一村
- 他の染織産地とのコラボ
これからの、大島紬の発展から目が離せませんね。
今日の雨コートと着物コーディネート
さてさて、最後に今日の私の着物コーディネートです。
この日は一日雨ということだったので、久しぶりに雨コートの登場でした。
西陣の織元さんで誂えた、撥水加工がしてある糸で織った正絹生地の雨コートです。
ちゃんと雨を弾いてくれてます。
あまり出番のない雨コートなので、一生に1枚のつもりで良いものをと誂えた手持ちでたった1枚の雨コートです。
どんな着物にも合いどんな場面でも着れるように、無難な黒にしたのですが、雨が付着している部分が見えやすくお手入れがしやすいので黒にして
足元も、つま先から雨がしみないように雨草履です。
普段使いだと少し重たいイメージになってしまうので、雨の日専用で使うことにした呉服屋さんでおまけで頂いた黒の帯地のかばん。
こちらも、雨に濡れてもササッと拭くだけでお手入れができるので、雨の日には重宝してくれます。
コートの下は、紬の着物にフクロウの洒落袋帯。
紬に薄っすらと銀糸が入ってる袋帯は本来なら格的に不つりあいだと言われそうですが、今回は趣味のお出かけなので自分の好きにコーディネート。
ただ単に色合いだけ重視のコーディネートでした。
こちらの赤みの鈍い黄色の紬は、雨の日や汚れが付きそうな日に着ると決めている紬です。
(なぜなら、着物を誂えた時にもらえたおまけの紬だから←内緒です)
今回はこの紬に軸に、コーディネートを考えるがテーマでした。
帯周りは絞りの帯揚げに、ベージュの三分紐にオパールシェルの帯留め
絞りの帯揚げで、薄めのみどりで春らしく。
本来なら、大島紬のイベントなので大島を着て行きたいのですが、
「雨の日にリスクを冒して(おかして)大切な大島を着るか?」
「おしゃれは二の次、リスクを取って雨の日コーデにするか?」
道中の気を使う歩き方や、後のお手入れの費用のことを考えると、基本面倒くさがり屋で貧乏性の私は無論後者が圧勝。
自分の価値観にあった無理のない着物道が、楽しく長続きする秘訣ですもんね。
袋帯のフクロウ文様の奥深い意味や歴史で変化する象徴は下のインスタグラムで紹介しています。
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