五嶋紐三本

その日の着物や帯に合わせて、色や質感、デザインを考慮し、全体のバランスや相性を見ながらチョイスする帯締め。

そんなおしゃれとしての役割の他にも、帯をしっかりと支え着崩れを防ぐ役割も併せ持つ帯締めは、どちらの使用目的でも妥協せず慎重に選びたいアイテムの一つです。

そこで求められるのが、「おしゃれなのに上質」

ですがこの2点の条件が合わさると、価格が可愛くなくなってしまうのが悩みのタネ。

着物や帯に比べて、比較的安価に手に入る小物こそ、沢山の種類を持ち合わせて、その日の気分やコーディネートに合わせて自由にセレクトしたいのが本音。

そこで、今回ご紹介するのが国の無形文化財にも指定された技で作られている五嶋紐の帯締めです。

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色柄もほどよい主張で使いやすく、締め心地も抜群なのに価格も手頃なので私もヘビロテで使っています。

一度締めたら着ているうちにゆるんでくることもなく「ぎゅっと締まり」手組みなので動きにあわせて程よく伸び縮みしてくれます。

数ある帯締めの中でも、その使いやすさ手に入れやすさが魅力の五嶋紐。

ファッション機能性の2つをいい具合に組み合わせた上に、価格がお手頃なので

「今日はどの帯締めにしようかな?」

といつものコーディネートの幅も広がり、選ぶ楽しさも感じることができるようになりますよ。

無形文化財指定の五嶋紐とは?凄さは他にも!

五嶋紐とは江戸組紐の職人であった故・五嶋敏太郎氏により確立された組紐の一種です。

組紐(くみひも)とは

日本伝統の工芸品で絹糸や綿糸で組み上げた紐のこと。

編み物や織物と同じく組物の一種で、もともと日本には仏教の伝来により、仏具、仏典、巻物の付属品の飾り紐として渡来しました。
四角い「角打ち紐」
平たい「平打紐」
丸い「丸打紐」
の3種類に大きく分けられる。

皇室に献上する草履の鼻緒に使われた組紐第一号となったことで有名です。

下の画像は鼻緒ではありませんが、実際に皇室の美智子様に献上された帯締め。
美智子様献上帯締め

横に写っている絹から作った帯締めですが、白色の絹糸と混ぜて使用することで、もとの色が良い具合におさえられ、なんとも優しい色合いになっているところに、職人技を感じますね。

五嶋敏太郎氏は、戦国時代に兜(かぶと)の緒に使われていた組紐の技法を学び、新しい組み方の考案しながら明治末期から昭和にかけて技術指導者として尽力した人です。

■五嶋敏太郎氏について

明治12年 東京日本橋で生誕。
明治24年 帯締め羽織紐の製造問屋粟田商店に入店。
昭和13年 独立。
昭和35年 衣料品では日本初となる『無形文化財』の指定を受ける。
昭和38年 それまで自らが考案した作品すべてを集録した『組糸集鑑(全9巻)』を文化庁に納める。
昭和42年 死去。

 
 

今では日本の帯締めを代表する一品ですが、最大の特徴は締めやすさと緩みにくさです。

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地の分厚い帯をする時も、安心して締められます

上質の絹糸にこだわり、丁寧に手で編み込んでいるため、人の手作業でしかなし得ないしなやかな手触りを実感します。

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紐を締めるときのキュッと絹鳴りの音も心地いい。

そんな五嶋紐の卓越した組紐技術の高さや、デザイン・色使い・品質の良さを併せ持つのに価格が優しい。

多くの着物通から、絶大なる支持を集めているのも納得です。

五嶋紐のハイセンスなデザイン実は!

現在の五嶋紐は三代目が、全てのデザインを一人で考案しながら技術と伝統を引継いています。

五嶋紐のバランスの取れた絶妙な色使いや、時代の流れに沿った上品なのに個性的なデザインを社長お一人で考えているなんてびっくりですよね。

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どれだけ、繊細で美しい感性の持ち主なんでしょうね



代々続く洗練された感性からできあがるデザインは、フォーマル・カジュアルどちらのラインナップも豊富で、自分の好みのデザインを見つける宝探しの様な楽しさも。

そしてそして、五嶋紐の技術は昭和35年に『無形文化財』の指定を受けていますが、この際にあえて「重要無形文化財」の指定を辞退したそうです。

無形文化財とは

工芸部門では陶芸・漆芸・染織・金工・木工・竹工などの「技」を体得した個人または個人の集団に認定されます。
そして「無形文化財」に登録された中でも重要と判断されたものは「重要無形文化財」として、文部科学大臣がその技術の保持者、または団体を指定、保護しています。

重要無形文化財はいわゆる人間国宝と言われる方のことですが、指定された方が亡くなってしまうとその指定は解除されてしまいます。

すなわち、人間国宝が亡くなると共にその技の保護も終わってしまうので、後世に渡り技術の継承いくためにも『無形文化財』の指定にしたそうです。

こうして日本の文化を背負っている立場の方たちは、日々「どのようにこの技を残していくか」を考えていると思います。

その方法や手段はそれぞれに違ったとしても、日本人ならではの繊細な感性や美意識、他の国では真似できない卓越した技の継承はなんとしても守っていって欲しいですね。

ネットで買える五嶋紐でおすすめは?

合わせる帯の質や重さも選ばず、しっかりと支えてくれる安定感のある五嶋紐の締め心地を実感するなら5分紐がおすすめです。

夏帯を締める場合や、色柄重視で選ぶならネットでよく売られている三分紐は特に価格も優しく使いやすいです。

そんな五嶋紐をネットで調べたら沢山出てきたので、中でも今どきのデザインで使いまわしができそうなアイテムを5つ選んでみました。
(クリックすると拡大や価格サイズなどの詳細が見れます)

1、カジュアルにもフォーマルにも使える万能モノトーン変わり組み紐


白と黒のモノトーンで組まれたいるためどんな着物のコーディネートにも合わせやすいのに、途中の動きのあるデザインがアクセントとなり個性的。

知的でカッコいい印象に仕上げたい場合におすすめです。

2.清涼感漂う夏帯締め


夏の帯締めは特に上質でしっかりと組まれたものをセレクトしないと、一度使ったらクタクタになって使えなくなることもしばしば。

五嶋紐の帯締めは職人が一点一点手組みでしっかりと作るため、その丈夫さとしなやかさを実感できます。

3.大人かわいい上品帯締め

大人の女性の肌に馴染むグレーがかった色使いが、上品さを兼ね備えた一つ上の艷やかさを演出してくれます。

4.組み方で見せる個性派帯締め


帯締めの見た目の豪華さは、色もさることながら組み方の違いで現れます。
複雑な組織で手組されて浮かる上がる凹凸は、誰もが引き込まれる奥深いデザイン。カジュアルを楽しみたい時におすすめです。

5.帯揚げセットで初心者も簡単コーディネート


帯締めだけでは色の使い方がわからない、という初心者さんにも優しいセットです。
個性的な組み方の帯締めが、ワンポイントとなりトータルの着物コーディネートを引き締めてくれます。

以上が、ネットで見つけた五嶋紐でした。

全国的に知名度も人気もある帯締めなので、お近くの呉服店でも取り扱っている場合が多いので、比較的簡単に探すことができるのも五嶋紐のいいところです。

どこかの呉服店さんに立ち寄る機会があったら、自分好みの五嶋紐を探してみるのも楽しいですね。

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