着物のコーディネートを考える際の
「誰ともかぶらない自分だけのオリジナル着こなしをいたい!」
という、思いを解決する方法をお伝えした前回のお話。
そこでお世話になった、京都の洛楽人工房(らくらくじんこうぼう)さん。
いちまいいちまいに魂を込めるように、手にとった人の幸せやご縁や平和を願う物語(ストーリ)がある作品は、
その物語を全身で感じながらこの子達を纏えたら、どれだけ心強いだろ・・・。
そんな事を思いながら、いくつもの作品を拝見できるのは、着物好きにしたら何よりも心踊る時間。
今までにない、特殊な染め加工も施してあるため、太陽光が当たるとくっきりと物語にあった色達が浮かび上がる。
ぜひ、実物の変色シーンをみんなに見てもらいた
と感じながら、終始興奮気味で進んだ取材でした。
詳細は↓↓↓
もともと洛楽人という屋号も
洛・・・京都という意味
楽・・・着物を楽しむ意味
人・・・着物を作るために多くの人が多くの時間と努力をしてること。
そして、着てくれる人の事をわすれないこと。
と云う意味が込められているそう。
その1枚の着物に関わる人達の思いを常に感じながら、作品作りに挑まれている姿勢が強く感じられますよね。
そんな洛楽人工房さんは、京都の二条通りの直ぐ近くに社屋をかまえる1978年(昭和53年)に創業の紬屋さんだったらしいです。
そのため社屋には
その紬たちを見るだけでも貴重な体験
他にも、これまでの活動に関わる世界各国の貴重な伝統工芸品の数々を拝見させてもらえたので、ご紹介したいと思います。
日本の伝統工芸品だけでなく、いろいろな国の誇らしい伝統工芸品を知ることは、自身の着物コーディネートに新たな深みを添えることができるように感じます。
合わせて、洛楽人若女将が
「少しでも、着物に興味のある人を増やしたい!着物好きが集まる場所を提供したい」
と云う思いから始めた、型染め体験「染め染め倶楽部」の体験内容も紹介したいと思います。
小学生くらいの小さなお子様でも楽しめる、簡単な体験なので着物の染織に興味がある着物初心者さんや、
「親子で日本の文化を体験したい!」
と考えてるあなたにはピッタリな内容です。
洛楽人工房でよみがえる世界的工芸品
洛楽人工房の三代目は、これまで世界各地でシルクロード文化交流にも積極的に参加して、日本の「着物文化」を伝える活動をされていました。
そんな文化交流の際に相手国から贈られた伝統工芸品が、工房の応接室に飾られることで、互いの国を尊重するかのように空間に馴染んでいました。
まずは下のウズベキスタンの伝統工芸品、インテリアランプです。
実はこのランプはラクダの睾丸を上手に膨らましたものに、染の加工をしている伝統工芸品だそうです。
反射的に
「えー!そうなんですか!」
と、触ってしまったの自分の行動は謎ですがW、もちろん表面には加工がしてあるので触っても大丈夫とのことでした。
色々な意味でドキドキしました笑
ひょえーーーー!めちゃくちゃ恥ずかしい間違いじゃないですか!
全く、いつも何を考えているのか?自分の頭の中を覗いてみたい・・・^^;
続いては、最近特に日本人に馴染みの深い韓国の伝統工芸品、螺鈿細工がしてある小物入れです。
螺鈿細工は着物でも使われる技術ですが、見る角度や光の当たり方によって七色に輝く神秘的な細工です。
「夜光貝」「アワビ貝」「蝶貝」などの貝を材料として使用され、貝殻が持つ色彩そのままのこともあれば、色を加えてデザインすることもあります。
吸い込まれるように、いつまでもずっと見ていられる程キレイでした。
続いては、イスラエルの伝統工芸品の置き物
シルクロードでも度々出てくるパレスチナ刺繍など、イスラエルとの文化交流もあるのですね。
下の画像は、中国の西安の楽器だそうです。
よく見ると両脇の土台で誰かが支えてる!可愛い。
音を奏でてみたのですが、透き通るようなきれいな音色で、見た目とは違い繊細で叩く場所によって違った音を出せる楽器です。
ひとつひとつが小さな器?みたいな形でできているため、音はあまり長くは続かないぶん何度も奏でたくなる音色でした。
ところで!この楽器の後ろにかかっている物、見えますか?
先程のラクダの膀胱の後ろにも!
こちらは、着物を織る時に使う杼(ひ)が、一つ一つ綺麗に整列されてオブジェになっているんです!
この杼をこんな風にアレンジしてオブジェにするセンスが流石、世界中で沢山の工芸品に触れてきた感性が発揮されていますね。
しかも、この杼を作る職人さんは、日本でただ一人しか残っていないそうです。
京都市内の長谷川杼製作所の3代目、国選定保存技術「杼製作」保持者に平成11年に認定された、杼職人の長谷川淳一さんが唯一最後の杼職人さんです。
どの業界でも職人さんの継承者問題はありますが、最後の一人などと言われると、何とも言えない感情になりますね。
しかし、国内での着物の需要が減少している現代は、こうして他国との交流を通して着物を世界にアピールすることは、今まで見いだせなかった新たな需要に繋がるかもしれません。
私達消費者の知らないところでこうした活動をしてくれることで、少しずつでも着物の染織文化の素晴らしさに興味を持ってくれる他国の方が増えるのは本当に嬉しいですね。
京都で染め体験を発信する若女将
最後に、洛楽人工房の新しい試み、型染め体験のご紹介です。
着物愛好家が減少する一方で、なんとかして着物の良さや楽しさを知ってもらいたいと模索する中、若女将が始められた体験ワークショップです。
何種類もある型から好きなものを選んで、ポーチやお弁当袋などに型染をしていく体験です。
私は、自分の守り神と勝手に思っているフクロウちゃんに、とある方にラッキカラーと言われた青色を使って型染を体験してみました。
フクロウなのに青!感覚で物事を判断する人間なので、その辺りは気になりませんW
工程や色の使い方、置き方など詳しく丁寧に教えてくれるので、迷いなくスラスラと。
「初めてなのに上手ですね」と、お褒めいただきました!
その時の様子と、体験の詳細を若女将がインスタグラムに投稿してくれました。
型染めは京友禅の数ある工程の一つですが、実際に体験することで違った角度から着物の楽しさを知ることができました。
そして、何より三代目と若女将の人柄からも、
「あー、きっと素敵な着物を作る工房さんなんだろうなぁ~」
っというのが、伝わってきます。
特に、三代目が若女将にかける言葉のトーンやニュアンスから優しさがにじみ出てる
とっても、素敵なご夫婦でした。
着物はモノである以上、誰かの手によって作られていますが、消費者である私達は作り手さんと直接お会いすることが中々できません。
ですが、モノを購入するにあたっての大前提は、良いモノが欲しいです。
その良いモノの定義は、作った人の思いや考え方や価値観、信念みたいなのを感じられるモノ・・・
結局、「モノ」ではなくて「人」で選んでいるんですよね。
そういった意味でも、今回洛楽人工房さんへ伺って感じた思いは、作られる着物や帯への信頼感に繋がりました。
まず型染めだけでも体験してみることで、
「どんな作り手さんなんだろう?」
の疑問が解決されて作り手さんとの距離がグッと縮まります。
そんな場を作ってくれた洛楽人工房さん。
これからもご活躍が楽しみです。
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(地図上のマカーをクリックすると詳細あり)
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