着物に興味を持ったり、コーディネートを楽しめるようになると、
「もっともっと着物について知りたい!」
と思うようになるのは、着物好きあるあるですよね。
着付け教室に通ったら着付けの勉強と、ある程度のマナーや着物の座学は学べます。
ですが、コーデネートを考えるうえで一番肝心な
「着物にはどんな種類があるの?」
が分からなければ、何を着て良いのかもわかりません。
自分好みの着物が分かるようになるためにも、おすすめしたいのがきもの文化検定です。
私も2016年に5・4・3級、2017年に2級を取りました。
着物を極めたいなら、
「これ以上の手段はない」
と言い切れるほど、着物についての知識を取得できる検定です。
今回はそんなきもの文化検定とはどんな検定なのかや、合格した時のメリットなど紹介したいと思います。
ちょっとでも、
「受けてみようかな?」
と思った場合に気になる合格率や、勉強するために必要な公式教本なども合わて紹介します。
きもの文化検定とは?合格のメリットは?
きもの文化検定とは、2006年にはじまった一般社団法人全日本きもの振興会が行う検定です。
- 原糸メーカー
- 織物生産者
- 織物生産者
- 卸売商
- 小売商
- 染色加工
- 履物
- 和裁士
- 着付師
など。
私もこの検定を受けて着物の歴史をはじめ、日本全国に存在する様々な着物の種類の技法を知ることができました。
そして着物の知識が上がったためコーディネートの幅が広がるのは勿論のこと、その着物のどこに価値があるのかがわかるようになりました。
価値が分かるということは、着物を購入する時の妥当な値段などもだいたいわかるようになるので、ある程度の目利きは自分でできるようになります。
着物の値段はあってないようなものと言われますが、それなら尚のこと自分で判断できる知識を付けておかなければいけません。
まだまだグレーな部分が多い着物業界だからこそ、きもの文化検定で学ぶことは自分自身を守ることでもあるのです。
そして最大のメリットは着物の文化だけではなく、ほぼ全ての日本の文化の基礎を知ることができるということです。
5級~1級までの内容が、下記の着物に関わるあらゆる文化にまつわる問題が出るからです。
- 着物の種類
- 着物の主な産地と特徴
- 着物の歴史
- 日本の色
- 着物の文様
- 着物の紋
- 着物の小物
- 収納とお手入方法
- 立ち居振やる舞い
- 悉皆・仕立て方法
- 糸や生地
- 日本のしきたり
- 歌舞伎や能
- 文献や歴史的調度品
- 着物に関わる人物
など
ここにあげた項目以外でも日本に関わる全ての文化から出題されるので、最上級の一級に合格したら
「日本文化のスペシャリスト」
とも言えるほどの知識が付きます。
出題範囲が広い分多くの分野の知識が必要になりますが、学べば学ぶぼど日本での生活全ての点が線になり繋がって行くのが分かります。
着物が好きな人なら止まらなくなるほど、魅力的な知識です。
そんな検定は5級と4級は春と秋の年二回、3級から1級は秋だけの実施なので十分に勉強の期間はありますね。
学歴・年齢・性別・国籍に関わらす、5級から順番に着物好きなら誰でも受けることができるのもうれしいです。
そして、見事各級に合格したら「合格者表彰式・記念パーティー」に出席できることもメリットの一つです。
このパーティーはその年の合格者に参加資格が与えらえ、1級合格者は永久参加資格がもらえます。
年に一度京都で行われるパーティーには、毎年200人以上の着物姿の方が参加され、同じテーブルでふるまわれる豪華な食事と貴重な時間を共に過ごせます。
同じ趣味の目標を達成した方達との出会いはその後の着物生活でも続き、自分の人生に大きな価値を与えてくれます。
SNSの交換や写真撮影などを通して、沖縄から北海道まで全国の着物好きの方と知り合えるのは、このパーティーならではのメリットです。
また、お祝いパーティーに駆けつけてくれる来賓も、コシノジュンコさんや市田ひろみさんなど、着物に関わる著名な方たちばかりです。
世界で活躍されるその方々の着物に関わるお話は、価値観も着物に関しての知識も世界基準ですのでとても貴重なお話が聞けます。
きもの文化検定を受けることにより、自分自身の価値観や生き方も大きく変わることは、この検定を受けた人皆さん感じていることと思います。
着物文化検定の合格パーティーの詳しい様子は下の記事で紹介しています。
ここまでの紹介で少しはきもの文化検定に興味がわいた場合のために、気になる難易度や合格率の紹介をしたいと思います。
きもの文化検定の1級の合格率は?
きもの文化検定の最上級の1級は、他の級に比べて格段に難易度が高いとされています。
10人受けて1.5人しか合格しないという驚異の合格率です。
前年度の2017年度の1級の検定では、受講者231人中、合格者はわずかに14人の合格率6.9%でした。
公式ホームページににも試験方式や合格基準の詳細は書いてありますが、1級からは2級までと比べ物にならないほど難しい試験方式ということが分かります。
きもの文化検定公式ホームページ(https://www.kimono-kentei.com/)
抜粋して見ると下のように1級は文言(語彙ごい)記述・文章記述方式とあります。
すなわち、問われた問題について自分の意見を文章で答えなければならないのです。
級 | 程度・内容 | 合格基準 |
---|---|---|
5・4級 | マークシート方式による四肢択一方式で 60分・100問以内(5級と4級は同一問題) |
5級は60%以上の 正解で合格 4級は70%以上の 正解で合格 |
3級 | マークシート方式による四肢択一方式で 90分・100問以内 |
70%以上の正解で合格 |
準2級
2級 |
文言選択・記述方式で90分・100問以内 | 準2級は60%以上の 正解で合格 2級は70%以上の 正解で合格 |
準1級
1級 |
文言(語彙)記述・文章記述方式で
90分・100問以内 |
準1級は60%以上の 正解で合格 1級は70%以上の 正解で合格 |
着物のことだけでなく、多方面にわたる日本文化からの問題の問いを200文字以内で答えなさいと言われるのがどれだけ難易度が高いか、考えただけでも恐ろしいですね。
これだけの難問を突破した1級合格者が、日本文化のスペシャリストと言われるのも納得です。
ここまでの1級だけの紹介だと、きもの文化検定の合格が皆無のような感じを受けてしまうかもしれません。
しかし、実際に1級合格者も毎年必ずいらっしゃりますし、その他の級も段階を踏んで難易度も上がるので大丈夫です。
と言いつつ、私自身もまだ1級に挑戦する勇気が出ませんが、いつかは必ず1級に挑戦したいと思っています。
これだけ難しいからこそ、合格した時の喜びと達成感は自分のステージまた一つ上げてくれるのでしょうね。
そんなきもの文化検定はどのような方法で勉強するのか最後に紹介したいと思います。
きもの文化検定の公式教本はどれ?
きもの文化検定の問題範囲は下のように、公式教本からの出題が大部分を締めます。
級 | 内容 |
---|---|
5級 | きものに関する一般常識の習得/公式教本Ⅰの中から90%以上を出題 |
4級 | きものに関する一般常識の習得/公式教本Ⅰの中から90%以上を出題 |
3級 | きものに関する中級知識の習得/公式教本Ⅰ・Ⅱの中から90%以上を出題 |
2級 | きものに関する上級知識の習得/公式教本Ⅰ・Ⅱの中から70%以上を出題 |
1級 | きものに関する専門知識の習得/きものに関する全ての範囲から出題 |
そんなきもの文化検定の教本は「きものの基本」と「きものの たのしみ」の2種類あるので紹介します。
①きもの文化検定公式教本Ⅰ『きものの基本』/一般社団法人 全日本きもの振興会 編/ 講談社 出版
着物に関する知識や歴史の普及活動をしている (社)全日本きもの振興会が推薦する一冊。
現代の着物文化の指針とも言える (社)全日本きもの振興会の推薦だからこそ安心できて、おすすめです。
着物の歴史だけでなく「これだけは知っておきたい」着物の基本が初心者でもわかりやすく写真付きで学べます。
本体2,000円+税
②きもの文化検定公式教本Ⅱ 『きものの たのしみ』/一般社団法人 全日本きもの振興会 編/ 講談社 出版
きもの文化検定公式教本Ⅰ『きものの基本』に続き、きもの文化検定の公式教本です。
2017年度の最上級である一級の受講者231人中、合格者はわずかに14人の合格率6.9%という恐ろしく難関のきもの文化検定が教本としている本。
難関検定が教科書としておすすめしている本ですが、難しい内容ではなく、いたってわかりやすく見やすい写真付きで解説してあるので初心者でも読みやすい本です。
本体2,000円+税
こちらの教本以外にも、下のような今までの検定の過去問題を集めた問題集も出ているので、そちらでも勉強することをおすすめします。
問題集は年代別に検定の問題を集めたものになります。
私は2級までしか持っていませんが、今までに出た過去問題集は全部揃えて勉強しました。
中には売り切れの過去問題集もありましたが、オークションで高値で落として揃えるくらい徹底して過去問に集中しました。
■きもの文化検定問題集 2011年版
■きもの文化検定問題集 2014年版
■きもの文化検定問題集 2015年版
■きもの文化検定問題集 2018年版
過去問題集はまだまだ他の年もありますが、これらの教材を上手に使って検定に挑むと良いですね。
他にも下のような文様だけの参考本や、日本の色だけの参考本とか、とにかく着物に関わる参考書はなるべく目を通すように心がけて勉強しました。
染織初心者からしたら、そもそも用語の読み方や意味すら分からないので、それらを調べる時に下の参考本が必要になります。
帯一つとっても、種類からはじまり織の技法、染の技法、文様と格など覚えることは沢山あります。
1級のともなれば、指定された文様を描かなければならない難問も出てきます。
見て判別するだけでなく、実際に書き出すためにはその文様の意味や成り立ちなど掘り下げる必要がありますね。
これらの、参考本はもとても分かりやすく写真付きで説明してくれていますので
検定を受けなくても、着物好きの人にはおすすめです。
以上が、きもの文化検定の公式教本の紹介でした。
この検定で着物の基本を知ることにより基本にとらわれることなく、自分なりのコーディネートを堂々と自信をもってできるようになります。
そして着物の文化の奥深さを知るだけでなく、自分自身の心の在り方や物事のとらえ方など、生きていくために最も大切なことを学べるような気がします。
1級の合格率を見てしまうとなんだか難しそうですが、自分自身の人生を豊かに楽しくするために、まずは5・4級から受けてみてみるのも面白いと思います。
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