着物に似合う簪(かんざし)の種類はどれ?浴衣や結婚式に使える和装用かんざしは?

着物や浴衣を着てヘアセットも整えたら、せっかくなので簪(かんざし)も付けておしゃれに着飾りたいですよね。

かんざしは小さいながらも、その存在は目に留まりやすく、種類によって着物のコーディネートが大きく左右される意外に重要な小物です。

最近のかんざしは、昔ながらの伝統工芸のつまみ細工や漆やべっ甲でできた純和装の物から、洋装まで使える幅広い種類があります。
 
 
浴衣や結婚式などの和装でおしゃれに着飾りたい時に、人とはちょっと違うさりげなくおしゃれな、おすすめかんざしを紹介します。
 
 

着物に似合うかんざしの種類は何があるの?

現代はおしゃれの一環として使われるかんざしは、古くは

「先のとがった一本の棒に呪力が宿る」

と信じられていたため、魔除けとしてお守りみたいな意味もあった小物です。
 
 
平安時代の、神事の際に花や枝葉を頭に飾る習慣もかんざしの一種とも言われ、江戸時代の中後期に、日本髪が発展するとともに、さまざまな種類のかんざしが登場しました。
 
 
古くは縄文時代から確認されているかんざしは、現代は大きく分けて下の画像のような3種類あります。

  • 簪(かんざし)
  • 笄(こうがい)
  • 櫛(くし)

 
簪(かんざし)
かんざし
 
 
笄(こうがい)
笄
 
 
櫛(くし)
くし
櫛やかんざしなどは和装用のかんざしを連想できますが、笄は言葉は普段あまり耳にしないのでどんなものなのか全く想像つきませんね。

そこで、上記の三種類のかんざしの違いや特徴を下記の項目別に見ていきましょう。
 
 

  • かんざしの種類は何がある?その特徴は?
  • 笄(こうがい)とはどんなかんざし?
  • 櫛(くし)とはどんなかんざし?コームとの違いは?

 
 

かんざしの種類は何がある?その特徴は?

かんざしの歴史は古く縄文時代からありますが、現代に残る代表的なかんざしの種類は下記の様なものがあります。

  • 玉かんざし
  • つまみかんざし(花かんざし)
  • べっ甲かんざし(べっこうかんざし)
  • 平打かんざし(ひらうちかんざし)
  • バチ型かんざし

 
 
着物に似合うかんざしは意外に種類があり、名前を見ただけではどんなデザインなのか分かりませんね。

そこで、上記のかんざしの種類ごとに写真付きで特徴や使い方などを紹介します。
 
 

玉かんざしの特徴と使い方

棒の先に飾り玉が付いた伝統的なかんざしです。

シンプルなデザインですが、飾り玉の素材はガラス、天然石、サンゴ、をはじめ様々あるので、着物のコーディネイトに合わせて選択肢が多く楽しめます。
 
 
下の画像のように一本足と、二本足に分かれていて、二本足の方が若干、安定感がある様に感じますが一本足もヘアアレンジがしやすく使いやすいです。

一本足の玉かんざし

 
 
二本足の玉かんざし

 
 
シンプルなデザインなので、二本差しや他のかんざしなどと組み合わせて使っても、重くなりすぎずオリジナルのヘアアレンジが作りやすいです。
 
 

つまみかんざし(花かんざし)の特徴と使い方

つまみかんざしとは日本の伝統工芸のつまみ細工によって作られたかんざしの事です。
 
 

 
 

つまみ細工とは、小さく正方形に切られた絹物を組み合わせて作られ、 ピンセットで絹物をつまんで作る、江戸時代に生まれた日本の伝統工芸のひとつです。

 
 
下の画像のようにコームやUピンなど土台となる形状は様々あるので、自分の髪型に合わせてどんなヘアアレンジにも対応できるように作られているのがうれしいですね。

つまみ細工
 
 
着物の絹と同じ生地で作られている髪飾りなので、統一感があるトータルコーディネートを作ることができ成人式や七五三などでよく見られますね。
 
 

べっ甲かんざし(べっこうかんざし)の特徴と使い方

べっ甲かんざしとは、天然のタイマイ(海ガメの名前)の甲羅(こうら)を加工して作られたかんざしの事です。

本物のべっ甲でを作られた本べっ甲かんざしや、本べっ甲とセルロイドを張り合わせた張りべっ甲かんざしなどがあります。

 
 
べっ甲が持つ深い飴色と質感が仰々(ぎょうぎょう)しくないため、留袖や訪問着などの礼装から、浴衣などの軽装まで、どんな着物に合わせても、馴染み良く使いやすいかんざしです。
 
 

平打かんざし(ひらうちかんざし)の特徴と使い方

平打かんざしは丸く平らな飾りに、1本または2本の足がついているのが特徴で、一見、玉かんざしにも似ていますね。
 
 

そして、ほとんど飾りの先に耳かきがついていますが、江戸時代の奢侈禁止令(しゃしきんしれい)から逃れる時に

「かんざしじゃなくて、耳かきです!」

と言う、言い訳のためだと言われています。

「奢侈禁止令(しゃしきんしれい)」とは江戸時代などに出された令で、贅沢(奢侈)を禁止して倹約を推奨したり強制するための法令や命令の事。
そのため自由に自分の着たい着物や贅沢品をまとえない時代がありました。

 
 
本当に愛しい人を膝枕で耳かきする用途もあったため、丸い部分には愛しい人の家紋や自分の家紋を入れていたこともありました。

このような歴史を聞くと、一本差しで意味深く飾る大人の雰囲気が似合いそうなかんざしですね。
 
 

バチ型かんざしの特徴と使い方

別名で扇型かんざしともいわれていますが、三味線のバチから取った名前のかんざしで、銀杏の葉を模したともいわれています。

和装のかんざしといったらこちらのかんざしを思う浮かべることも多いほど、礼装から普段着の着物によく使われていますね。

シルバーや貝やべっ甲などの素材や、蒔絵やパールの施された柄など、デザインも様々ありますが、まとめた髪にそっと添えるように挿すことで、着物のコーディネートに品と高級感を与えてくれます。
 
 

笄(こうがい)とはどんなかんざし?

笄とは、もともとは日本髪を作る時の道具のひとつで、下の画像のように日本刀の鍔(つば)の部分に仕込まれている小さなナイフ状のものでした。
笄(こうがい)
 
 
当初は髪をぐるぐる巻きつけて髷(まげ)を作る時に使っていましたが、次第に巻いた後にそのままにし、飾りとしても使うようになりました。

江戸後期ごろから、でき上がった髷に後から挿す髪飾りへと用途が変わっていった物です。

現在は芸者さんや、結婚式の新婦が行う日本髪の髪飾りとして使われていますが、花魁や成人式向けに売り出されているものも目にしますね。
 
 

櫛(くし)とはどんなかんざし?コームとの違いは?

櫛(くし)とは日本(和装)の読み方で、西洋ではコームと呼ばれています。
 
この二つの違いはその形状にあります。

日本の櫛は本体の中央にのみ歯がある形で、西洋の櫛(コーム)は両端まで歯がある形をしています。

日本の櫛

西洋のコーム

 
 
日本の櫛は、日本髪の前髪を頭頂部の中間あたりに挿す前櫛として使われたため、前髪の幅に収まる歯数で作られ始めたのでこのような形をしています。

日本の櫛はもともと髪を梳く(とく)ものとしても使われていましたが、現在は好きな位置に挿しすヘアアクセサリー感覚の方が強いですね。
 
 
最近のコームには日本の伝統的な工芸で飾りを付けて作られている物もあるため、着物でもコーデネイトしやすいデザインの物があります。

デザインやヘアスタイルによって、バランスの良い位置に挿すことで、ヘアスタイルが一気に華やかになり和装感が演出できます。
 
 
以上が着物に似合うかんざしの種類の紹介でしたが、かんざしには形やデザイン、装飾の仕方など色々な種類があるのが分かりましたね。
 
 
着物を着た時に何気なく飾ったり、かんざしメインでヘアスタイルを考えたり、かんざしの使い方は人それぞれですが、どんな使い方をするにしても、やはり「おしゃれ」に飾りたいですよね。
 
 
そこで、かんざしを挿す場面が多い、「浴衣」と「結婚式の着物」に分けて、それぞれに似合うかんざしを写真付きで紹介をしたいと思います。
 
 

  • 浴衣に似合うかんざし
  • 結婚式の着物に似合うかんざし

 
 

浴衣に似合うかんざし

夏の暑い日にちょっとしたお出かけ着として着る浴衣は、普段着として着られることが多いですね。

そのため、一見して豪華できらびやかなかんざしではなくて、少しひかえめに、さりげなく飾る方がおしゃれ感を演出できます。
 
 

下の画像の髪飾りは玉かんざしを二個付けした髪型です。

浴衣の色に使われている、青と黄色を玉かんざしに使うことで、着姿全体のコーディネートがまとまり、さりげなくおしゃれ感ただよう、かんざしですね。

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下の画像のかんざしは、つまみかんざしと造花で作られたかんざしを浴衣の柄のお花に合わせてコーデネイトしたかんざしです。

小さめのデザインのかんざしはこのように違う種類のかんざしを上手にミックスして使うことで、オリジナルなかんざしを作ることができますね。

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下の画像のかんざしはハンドメイドのたれものかんざしです。

頭に飾るかんざしと、帯回りの帯留めや、写真のような根付などとお揃いにすることで、統一感を持たせた上級の着物コーディネイトが作れますね。

根付(ねつけ、ねづけ)とは、江戸時代の小物入れ(たばこや、お金、薬などを入れる小型の革製鞄)などを紐で帯から吊るすときに使う留め具のこと。


 
 
下の画像はシルバーで作られたバチ型かんざしです。

べっ甲や貝などで作られた純和装のかんざしでない素材ですが、今どきのおしゃれとして浴衣にも似合う個性的なかんざしで素敵ですね。


 
 

結婚式の着物に似合うかんざし

結婚式の着物は、普段着と違い礼装用の少し華やかな着物を着るので、合わせるかんざしも着物の格に合わせて上品なかんざしが良く似合います。

ですが、結婚式のマナーとして新婦より目立つことはしないため、あまりにもきらびやかで目立つかんざしは避けた方が良いでしょう。
 
 
下の画像のかんざしはバチ型かんざしにパールでデコレーションされたかんざしです。

バチ型かんざしにパールが施されていることで、一気に上品さが出て結婚式のかんざしにはピッタリですね。


 
 
下の画像のかんざしは玉かんざしの玉が翡翠(ひすい)で作られています。

かんざし自体のデザインは小型でシンプルですが、結婚式などお祝い事の場では使われている素材を高価なものにするだけで、式の雰囲気も上がり周りからも褒められるのでおすすめです。
 
 


 
 
下の画像は櫛と個性的な月の形を表したオリジナル感満載のすてきなかんざしです。
 
純和装の櫛を使うことで、歴史の重みも感じられるような結婚式にもピッタリなかんざしで、一気に大人の女性の着物のコーディネートを作ることができますね。

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下の画像は洋装でも使えそうなパールでできたコームです。

結婚式にはやはりパールが良く似合うので、着物でもパールの付いたかんざしを付ける事で上品な和装コーディネートができます。

以上が浴衣や結婚式の着物にも使えるかんざしでした。

かんざしは自分のアレンジ次第で、全く違う雰囲気の飾りにすることができるところが楽しみの一つです。
 
 
この記事以外で用途別にもかんざしを紹介している記事が3つあります。


 
 

 
 

 
 
これらの記事は年代別の和装に似合う髪型の紹介や、成人式におすすめな髪型を紹介した記事なので、かんざしに合わせたい髪型も見る事もできます。

かんざしを選ぶときは髪型に合ったかんざしを付ける事で、全体のバランスが整ったり、かんざしが外れてしまう事も防げるので髪型も研究することをおすすめします。
 
 

かんざしは着物のデザインの色柄に合わせたり、鞄や草履の色に合わせてコーデネイトすることで、人とは違ったオリジナルの装いができたりします。

種類やデザインが豊富なだけにアレンジの数は無限大なので、多くの画像で付け方の研究して、自分なりのおしゃれなかんざしを見つけられると良いですね。