お庭の緑も深まり日中もポカポカ陽気が続くゴールデンウイークが始まるころ、何気なく通るいつもの道に咲く、白やピンクの美しいツツジが道中行き交う私達を楽しませてくれます。
冬の寒さから開放されたそんな季節は、防寒を意識した厚めの袷の着物から、春の風邪が心地よく感じる
そんな自然の美しさや、四季折々に訪れるその時にしか味わえないイベントでは
- 季節の植物
- 季節の装飾品
- 桜の季節には桜文様
- 秋には紅葉文様
- クリスマスにはサンタさん文様
- ピンクで可愛らしい
- 新緑深まる温かい空気感で咲く花
- 実は情熱的な花言葉もある
- ピンクのツツジ・・・愛の喜び
- 紫のツツジ・・・美しい人
- 白いツツジ・・・初恋
- 赤いツツジ・・・・燃える思い・燃え上がる愛
など、その季節にしか楽しめない期間限定文様が描かれた着物や帯を楽しむのが一般的な着物の醍醐味とされています。
ですが、どうしても使用期間が限定されてしまうため、着回しが効かないことや、文様が単体で描かれているアイテムにおしゃれ感を見いだせないことが理由で、
「量より質!多少高くても価値のある着物で!枚数は少なくても、着回し術で今どきでおしゃれな装いを」
という、私の着物道に当てはならないので多分1枚も持っていません。
それでも、季節を装いに込めて楽しみたい
そんな時には、その季節から感じ取れる
今回は、現在テレビで放送中の着物姿が美しい大地真央さん主演の「最強のオバハン」でも登場した蒲郡クラシックホテルで開催されたつつじ祭りに出向いた時のコーディネートを紹介します。
そんな季節にぴったりな着物や帯を持っていれば簡単ですが、手持ちで無くても
春の装い着物はピンク色の園部正則墨流し小紋
今回のつつじ祭りで選んだ着物は墨流しの第一人者である園部正典先生の小紋です。
墨流しの伝統工芸士薗部正典さんは現代の名工ですが、近々その功績がたたえられ人間国宝にもなるとも言われている方です。
単純に墨流しというと、着物の染めでも多くの職人さんが表現されているのでどんな柄なのかはだいたい想像できますよね。
ですが!
現代の名工ともなる園部先生の墨流しは・・・
「え?これはどうやって染めてるの?」
と、一見墨流しだというのはわかるのですが、柄が複雑すぎてどんなに頭を使っても染め方が想像できない。
これぞ職人技!と言わんばかりの、複雑で計算されつくされた意匠は、女性が持つ艶っぽさや曲線など品のある雰囲気を纏うことで表現されるようで、誰もがうっとりするような作品です。
そんな園部先生の作る着物については、下の記事で詳しく紹介しています。
着物好きなら、知っておきたい職人さんの一人です。
そんな墨流し小紋に合わせたのが、草木染めの手織り牛首紬の袋帯です。
草木染めが持つ天然の柔らかい色合いが、墨流しのスモーク系の色にふんわりとマッチして、全体的に甘い雰囲気をただよわせてくれます。
帯揚げは抽象的な草花が地紋に入った、知的な印象を受ける辛口のラメ入り
今回は帯揚げを差し色としてコーディネートしたので、帯締めは主張を抑えた薄桜のような色をチョイス。
根付は象牙でできた何だったか?忘れてしまいましたが作家物、房の色を帯揚げとリンクさせて、帯揚げの色を選んだ理由を更に強調して存在感をプラス。
季節の文様がなくても季節感を出すポイント
今回コーディネートのポイントは、ツツジ祭りに似合う装いにすること。
ですが、私はツツジの文様が入っている着物や帯を持っていないので、コーディネートでツツジを連想させるような季節感を出さなければいけません。
そのためにまずは、自分が感じるツツジのイメージを明確にします。
私のツツジのイメージは
でした。
そこで、作り上げたのが
ふんわり可愛らしいだけではなく、ツツジの情熱的な花言葉も含んで、全体をまとめてみました。
まずは、ツツジの蜜のように甘いイメージは着物の
この着物はよく見ると、地紋に杉の木のような枝と葉が施されていて、
そして、鴇色(ときいろ)や女郎花(おみなえし)のような色の花びらも描かれています。
地の墨流しの色も、全体的にグレーがかったピンクのように見えるので、桜のお花見や今回のようにツツジなど可愛らしいお花を見に行く時に便利な着物です。
そこに、草木染めの大人な可愛らしさが、ちょうど良い甘さに仕上げてくれます。
そして、ツツジが持つ情熱的なイメージは、帯揚げに託しました。
ツツジには色によって様々な花言葉を持っていますが、鮮やかな赤のツツジの花言葉は
「燃える思い・燃え上がる愛」
聞いてるだけで、恥ずかしくも羨ましくも感じる情熱的な意味です。
その情熱的な赤いツツジを茜色(あかねいろ)ぽい帯揚げで印象づける。
根付の色も手助けしてくれることで、
私は身長が158センチなので、草履を履いてもけして背が高くありません。
そのため、
洋服と違いシルエットのバランスで動きの遊びができない分、和服は余計に色や柄が大切なポイントになるので慎重に選んでいます。
春先の肌寒さ対策に透け感のあるビロードショール
つつじ祭りの当日は、気温が22度の晴天。
竹島巡りもする予定だったので、道中かなり歩くので汗だくになる予定だったので、羽織は少し暑いと思いもう少し手軽にはおれるショールを持参。
しかし、思いのほか強風でとてもでないけどショールは纏えず、それどころかヘアセットで付けていたウィッグが飛ばされそうで、ずっと頭を抑えながらのお散歩。
結局その日の出番は無かったですが、ショールならササッと畳んで鞄に忍ばせてもかさばらないし、少し肌寒く感じるときには直ぐに取り出せて便利なアイテムです。
ツツジにまつわる怖い噂の真相
見るも美しいツツジには、昔から毒があると言われていました。
(一部の品種のみ)
東北では殺虫剤として使っていたり、福岡県にはヤマツツジの枝を箸代わりにして亡くなった子を弔う塚があります。
今では、毒が危険だから絶対にだめとの報道もありましたが、私は幼い時、学校の帰り道に咲くツツジの蜜を吸って楽しんでいた記憶があります。
今考えると、とても怖いことですね
そんなツツジにまつわる昔ばなしの中には、とても怖い内容の物がありますが、そんなツツジの毒の怖さを伝え続けるためにあえて「近づくな」の意味を込めて残していったのでは無いかとのこと。
ツツジの花言葉は
「自制心・節制・節度・慎み・努力・訓練」
どんなに怖い言い伝えがあっても、昔からその美しさを競い合うくらい、日本人の心を掴む癒やしや魅力を兼ね備えた愛らしさがあるお花に違いありませんね。
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