季節の変わり目に、タンスから着物を出したら
「ヤバい!防虫剤臭い・・・」
こんな経験ありませんか?
「明日着ようと思ってたのに・・・」
虫食いから守るために置いていた防虫剤が、逆にトラブルの元になってしまうことも。
保管期間が長ければ長いほど、臭いが強く厄介です。
そこで今回は、そんな時に役立つ
急な臭いのトラブルにもこの方法を覚えておくと、落ち着いて対処できるのでしっかりマスターしておきたいですね。
着物の防虫剤の臭いを取る3つの方法
まずは、速効性のある順番から3つの臭い取りの方法をお伝えします。
- スチームアイロンをかける
- 置型タイプの消臭剤
- 陰干し
順番に見ていきましょう。
①スチームアイロンをかける
「とにかく、今直ぐに防虫剤の臭いをなんとかしたい!」
と言うあなたには、スチームアイロンをかけて臭いを取ることをおすすめします。
スチーム(蒸気)の力が、
ついでに、折りたたみジワまで伸ばしてくれるので一石二鳥の効果を得られます。
かけ方も簡単!着物ハンガーに↓↓↓着物を掛けてそのままスチームONで、場所も取らずに急いでいる時にはもってこいの対処方です。
でも、ちょっと待って!
正絹である着物に蒸気を当てる時は下の点に注意しないと、逆にトラブルになってしまいます。
- 水に弱い正絹は縮みシワや型崩れを起こす恐れがある。
- 一箇所に集中しないように生地からアイロンを離して素早くかける
- 刺繍(ししゅう)部分が変色したり、歪んでしまう可能性があります。
- 着物がカビ臭い場合、カビ菌が生息しています。蒸気を当てることで逆にカビが繁殖してしまうのでおすすめしません。
- 絞りや縮緬(ちりめん)など、縮みやすい生地はNGです。
- 金箔等は箔(はく)は、はがれたり変色する可能性があります。
アイロンを掛ける前に、以上のことをCHECKしながらスチームをかけても大丈夫な生地かどうか?判断してください。
②置型タイプの消臭剤
こちらは、スチームアイロンに比べたら速効性はありませんが、防虫剤の臭い取りには効果があります。
「置型タイプの消臭剤」とは、着物専用ではなくどこのお家にもある冷蔵庫や室内用の消臭剤です。
では、早速見ていきましょう。
- 無香料タイプの消臭剤
- 大型のビニール袋(防臭剤と、着物を畳んで入れれるサイズ)
- ガムテープ
着物についた防虫剤の臭い取り方。
- 着物をたたんだ状態でビニール袋に入れます。
- 同じビニール袋に消臭剤を少し離して置きます。
- ビニール袋をガムテープで止めます。
- たたむ方向を変えながら数日~1週間程度置く。
ここでも注意点があるので気を付けて!
- 着物と消臭剤は離して置く・・・くっ付くとその部分が変色や色抜け等を起こす可能性があります。
- 香りがあるタイプの消臭剤は使用しない・・・匂いが混じってさらに悪臭になることがあります。
- 一週間以上放置しない・・・着物が蒸れてカビ、虫害等が発生しやすくなります。
こちらの方法は、放置で消臭できるのでスチームより手間がかからなく楽に仕上がります。
③陰干し
陰干し(かげぼし)は、
染織方法や箔・刺繍がありなしに関係なく、どんな種類の着物でも行いやすいので
陰干しの方法
- 直射日光(蛍光灯も)にあたらない風通しが良い場所
- 着物ハンガーにかけて干します。
- 袷の着物は長時間のハンガー掛けで八掛がずれないように、着物の裾は地面に付ける(または椅子などで養生する)
- 2、3日陰干しを続けて、着物についた防虫剤の臭いをしっかりと飛ばします。
臭いが取れるまでに時間がかかるので、着物の着用までに余裕を見て行うようにしましょう。
コレはダメ!絶対NG臭い取りの方法
科学の力が発展した現代は、簡単に臭いを取る方法はいくつもあります。
しかし、正絹でできた着物は
消臭スプレーは絶対にNG!
よくやりがちなのが、「ファブリーズ」や「リセッシュ」等の消臭スプレーを着物に吹きかける!
コレ!やっちゃうと完全にアウトです。
消臭スプレーは水分が多く、輪ジミや柄のにじみ、縮み等のトラブルを起こします。
※消臭スプレーの注意書きにも「着物等」へ使用しないことはハッキリと書かれています。
香水や臭い袋はシミになる
香水や匂い袋で、着物に付いた防虫剤の臭いをごまかす。
これもNGです。
香水や臭い袋を着物に付けてしまうと、シミになってしまいます。
手首や首元に香水を付けるのも、袖口や着物の衿にシミができるので注意が必要ですね。
アルコールも変色の原因
着物のシミ取りによく使われるアルコール類(無水エタノール等)を使った方法も、臭い取り対策にはあまり向いていません。
染色方法によっては「変色」や「色抜け」「色あせ」といったトラブルを起こしてしまうことがあります。
臭いを付けないおすすめ防虫剤と入れ方
これから使用する防虫剤も見直すと、余計なトラブルにも巻き込まれなく安心して大切な着物を保管できるようになります。
そこでおすすめしたいのが、下の「そうびデラックス きもの保存剤」です。
(画像をクリックで詳細)
この商品の良いところは
- 無臭なので、臭いが着物につかない。
- 金糸銀糸や箔など、毛皮にもご使用できる。
- 防虫・防カビ臭いを軽減して、収納容器内を調湿してくれる。
- 防虫・防カビ効果は、約半年間持続する。
など、繊細な着物の保管にピッタリなこと。
シート状なので おばあちゃんの臭いで落ち着く~
着物の防虫剤といえば、昔からある樟脳(しょうのう)やナフタリン等がありますが、独特の臭いが強いのでおすすめできません。
から私は好きなんですが、やはり出先であの独特な臭いを漂わせるのは、ちょっと恥ずかしいですね。
着物の防虫対策で気を付ける点
着物の保管として
タンスの中までカビが生えることはめったにありませんが、カビが生える環境は虫も繁殖しやすいので万が一の事を考えて防虫防カビ剤は備えて置きたいですね。
そもそも虫食いとは、着物に残った汚れや皮脂を虫が食べる時に、着物も一緒にかじってしまうことで発生します。
そのため、着物を保管する際は
- 汚れを十分取り除いてから収納する
- しっかりと陰干しで乾燥してから収納する
などの、防虫予防をしてから収納すると良いですね。
そして大切な着物を、防虫剤を入れたことで逆に傷つけてしまわないように
- 防虫剤を直接着物にくっつけない
- こまめに状態を見がてら取り替えをする
- 無香料タイプを使用する
- 無臭タイプを使用する
などに注意してください。
防虫剤は「フェノトリン」「エムペントリン」等の、臭いが付きにくい成分を使った防虫剤だと安心して使用できますよ。
以上が、着物の防虫剤の臭いを取る方法でした。
着物の着こなしも、メイクもヘアーもしっくり決まっているのに、「なんか着物から臭いが~!」ってそこだけ抜けてたらせっかくのコーディネートも台無し。
「臭い」って思っているよりも人の記憶に残るものなので、しっかりケアして出かけましょうね。
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