大切な子供の卒業式・卒園式は、ずっと近くで見守ってきた母親としても感慨深いものがありますね。
そんな大切な行事に、着物をレンタルして出席しようと考えている人は多いのではないでしょうか?
ですが普段から着物に詳しくないと、卒業式はどのような柄や種類の着物を着て良いのかわかりません。
子供のためにも卒業式には素敵な着物姿で出席できるように、卒業式の着物の柄や種類を紹介します。
どのタイミングでレンタル予約したらよいのかや、鞄(かばん)はどんなものを持っていけばよいのかも紹介します。
卒業式に母親が着る着物の柄
着物のコーディネートを考える時は、洋服と違い普段から着ていないため柄や色などで頭を悩ませてしまいます。
特に卒業式などの式典となると慎重になりがちですが
大切なのはお子様の成長を願い、お世話になった先生方に敬意を表すコーディネートを心がけることです。
洋服が主流になり、着物離れが始まったひと昔前の昭和は、
「この時期にはこの柄がふさわしい」
「この場所ではこの柄は避けた方が良いでしょう」
など、細かなルールやマナーが存在する時代でした。
そんな厳しい決まりが邪魔をして余計に人々を着物から遠ざけてしまう結果になったのが現代です。
そのような理由から
「もっと手軽に着物を着れるように」
と現代はルールやマナーが段々ゆるくなり、どんな場面でも使えるような柄で作られてる着物が多いです。
お呼ばれ結婚式などの他人もかかわる式典などとは違い、自分の子供が主役の式典なら、ほとんどの柄が大丈夫です。
自分が主役ではなくてお子様や先生が主役ということを忘れずに、柄を考えます。
着物の柄の一つ一つの意味を調べながら、レンタルする着物を選ぶのも楽しみでしょう。
下の記事は、着物の柄の意味や成り立ちを紹介してありますので、着物をレンタルする時に柄を照らし合わせると良いですね。
他にも着物の柄は季節によっても使い分けるといわれていますが、季節柄もほとんどの柄が通年OKになっています。
四季折々の植物を柄に取り入れて楽しむものも着物の面白味です。
今回のように身内の卒業式などはあまり神経質にならずに、下の記事を参考に柄を楽しめると良いですね。
できたら脇役の母親の着物は、比較的柄が少なめか無い物を選ぶようにするのがよいですね。
あくまでも主役は子供と、お世話になった先生方ということを忘れないようにしましょう。
柄について分かったところで、今度はどのような種類の着物を選べばよいのか悩んでしまうので次に詳しく紹介します。
卒業式に母親が着る着物の種類と色
着ていく着物の種類を選ぶ時は、その場の自分の立場によって変わってきます。
今回はの自分の子供の卒業式なので、子供が主役で母親は脇役(付き添い)の立場ですね。
このように一歩下がった立場として参加する卒業式の着物は、下の種類を選ぶようにすると良いでしょう。
- 訪問着
- 付下げ
- 色無地
- 江戸小紋
着物の中で「略礼装」「準礼装」などと言われるくらいの格の着物でよいので、紋も入れても入れなくてもどちらでも大丈夫です。
着物の場合は、着物の「種類」「文様」「紋の数」「帯との組み合わせ」など様々な違いで格が変わってきます。
訪問着と付下げについての詳しい説明は下の記事で紹介しています。
記事の中では比較的華やかな柄の物が多いですが、卒業式の場合はもっとおとなしい下のような着物だと
「私だけ浮いていた」
と会場で恥ずかしい状態にならずに済みます。
■地色が黒で控えめな鼠(ねずみ)色でぼかしがされている付下げ
■鼠(ねずみ)の地色に、上品な桜のぼかしが施されている付下げ
想像していた色や柄よりはるかにおとなしい、控えめなものを選ぶことをおすすめします。
私は子供が多いため何度も卒業式に出席していますが、その時に感じることは近年の母親の服装は、下のようにほとんどがブラックフォーマルということです。
そのため金銀入りや、いかにも吉兆紋様の豪華絢爛の着物だとものすごく浮いてしまいます。
ただでさえ着物を着ているだけで目が行くのに、会場はほとんどが黒で統一されている中に、一人だけ明るい色の服装は特に目立ってしまいます。
卒業式の主役は母親ではなく、立派に修学した子供たちです。
金銀装飾があしらわれた明るめの色の着物ではなく、母親は一歩下がった装いでお祝いの気持ちを表すと良いですね。
そういった意味で、下のような色無地や一見無地に見える江戸小紋も良しとされています。
■鼠(ねずみ)の落ち着いた色でも、高級感や上品さを感じる色無地です。
■高貴の色とされる紫で染められた色無地は、どの色より気品がある着姿になります。
■黒地の万筋(まんすじ)江戸小紋なら、シックに会場の雰囲気になじみます。
色無地や、江戸小紋とはどんな着物かをもう少し知りたい場合は下の記事に紹介しています。
下の記事は、入学式に着ていく着物の紹介ですが卒業式も全く同じ種類の着物ですので、参考になると思います。
ですが、あくまでも入学式より落ち着いた雰囲気のコーディネートにすることを忘れないようにですね。
卒業式と言えば昭和初期の頃のに黒羽織を着るのが流行りましたが、現代でその当時の黒羽織を着ていくとアンティークな着こなしになるでしょうね。
そのあたりの紹介は下の記事にありますので、気になる場合は参考にしてください。
ちなみに、私が卒業式に着て行った時のコーディネートは下のような黒の万筋江戸小紋に光に当たると分かるくらいの銀糸の入った羽織でした。
一見黒に見える羽織を着ているのは、会場に入っても羽織は脱がなくて良い着物なので寒さ対策です。
卒業式の時期はまだまだ底冷えがする寒さの厳しい時期です。
着物の柄や種類を考慮しながら、下にヒートテックを着るなどの寒さ対策も万全にすることをおすすめします。
以上が卒業式に母親が着ていく着物の種類と色の紹介でした。
大体の卒業式着物が分かったところで、次はいよいよ実際に着物をレンタルします。
大切なお子さんの卒業式に万全に備えるためには、いつ頃レンタル予約をすれば良いのか紹介します。
卒業式の着物レンタルはいつ予約するの?
全国に沢山の着物レンタル店がありますが、卒業式の時期はどの地域もだいたい同じ3月頭なので、レンタルの日にちが被ります。
みんなが、同じような日にちにレンタルするので、早ければ早いほど選べる種類は残っているということですね。
それに着物をレンタルすると言うことは、着付けも自分で場所を探して予約をしなければいけません。
自宅に近い所や卒業式会場に近い所など、当日の自分のスケジュールに合わせて美容院を予約するのですが、予約時間は特に慎重にです。
私は美容院で着付けをしてもらった時に大失敗したことがあります。
家から離れた場所でのパーティーに着物を着て行こうと、会場に近い美容院で着付けの予約した時の話です。
美容院で着付けにかかる時間は1時間くらいと言われていたので、会場までの移動時間も考えて予約を入れました。
当日、パーティーにそのまま行けるように30分ほど余裕を見て美容院に付いたのですが、実際の着付けにかかった時間は1時間30分以上。
当然パーティーにも大遅刻のうえ、途中でお太鼓(帯の形)がほどけてくるなど散々な目にあいました。
そもそも会場に近い美容院を探したかったので、ホームページに
「着付けもいつでも受け付けています」
と丁寧に種類別の金額まで書かれていたので、すっかり信用していたのです。
ふたを開けてみたら、そのお店の美容師が何年かぶりの着付けだったのでしょう。
専門学校で一度や二度、着付けを習った程度の人だったので、当然着付けなんて
できるわけがありません。
着付けの技術は覚えてしまえばそこまで難しくありませんが、長らく着付けをしてない人が簡単にできるものでもありません。
予約を入れる際は、
「どの程度の経験ある着付け師さんが担当してくれるのか?」
「前回着付けを担当したのはいつか?」
などを詳しく聞いておくことをおすすめします。
多くの美容院は、外注として着付け師さんと契約していて、予約が入る時だけお店に着付け師さんを呼んで、着付けをしてもらうというスタイルです。
私のような体験は珍しいかもしれませんが、大切な卒業式に遅刻する前に自分の身は自分で守る対策をしておきましょう。
着付けも無事終わって、いざ卒業式に出席する時の鞄(かばん)は何にしたらよいか最後に紹介したいと思います。
卒業式に着物をレンタルする時の鞄(かばん)は?
卒業式の着物をレンタルする時は、お店によっては鞄も一式レンタルに含まれている場合もあります。
ですが、卒業式はスリッパやビデオカメラなど意外に荷物がかさむもので、レンタル鞄では入りきらない場合がほとんどです。
そんな時に、もう一つ手提げ鞄を用意したりするのも良いですが、できたら一つの鞄でまとめたいですね。
着物の場合になると鞄まで決まりがありそうで悩みますが、自分の子供の卒業式なら洋服で使っている鞄でも大丈夫です。
逆に洋服用の鞄を着物と合わせて上手にコーディネートしている方が、着慣れ感がでて良いという人もいるぐらいです。
そんな着物のコーディネートには、どのような鞄がおすすめなのかをまとめた記事が下にあります。
こちらの記事は普段着用と書いてありますが、卒業式でも使える鞄ですので参考にコーディネートを考えてみるのも楽しいですね。
以上が、卒業式に着物をレンタルした時の鞄の選び方でした。
自分のお子さんの晴れの日である卒業式は、母親としても着物を着てお祝いしたい。
そんな素敵な思いは、きっとお子様にも伝わり特別な思い出になると思います。
着物は決して難しいものでもないので、まずは気軽にレンタルして卒業式がより素敵な一日になると良いですね。